11/21/2006

大江戸漫遊記〜前編

11月10日、いい天気だった。
「もし寒かったらカワカワ履いてくかんね!」と前の晩カリスマが宣言していた。
誰に向かっての宣言よ??
カワカワっていうのは、昨年購入したウォームビズのパッチだ。(昔風に言えばズボン下だ。古っ!)
パッチ姿ってなんだか痛い。
素敵に映ればバレエのプリンシパル熊川哲也なのだろうが、カリスマさんの場合、貧弱な体が一層強調されてしまう。
江頭かよ?おまえ?って感じだ。
本人は、クマカワより三文安いカワカワだと言う。
明るい家庭で良かったよ。。。(--;)
カワカワも杞憂に終わるような暖かい日だった。

今回はニマさんも一緒に行くので、店に8時半集合。
JR安城駅まで数分歩き、三河安城まで出て新幹線に乗った。
〈こだま〉とはいえ、新幹線は快適な乗り物だ。
3人で行くので6枚綴りの回数券を購入しておいて正解だった。
ワシは移動のために例のスウドクを持って行った。
頭の体操スウドクに没頭するワシの横で、ドルジェさんとニマさんは何やら熱く語り合っている。
「やっぱりdziって(o^^o)・・・・」とdzi談義から始まり、「仏教の教えって・・・・」「チベットは・・・ダラムサラは・・・」と続く。

どこの何の集団だよ、おまえ達・・・(-_-;)
周りの人に聞かれたら恥ずかしいぞ。
ワシはスウドクしてるから仲間じゃありませ〜んって顔してるけど、どう見ても明らかに彼らの大将だな、こりゃ・・・(-_-;)

途中、車内で弁当を買い求め、話は本日のダライ・ラマ14世講演会となる。
「どんな人が聞きにくるんだろうね?」
去年も講演会に行ったワシらだが、ホントにこれは気になるところだ。
別に興味ないけど、何故か来ちゃった人もいるだろうし、
ただのファッションの人もおるだろうし、
ヨギーもおるかもしれんし、
バリバリのチベ者もおるだろうし、
支援活動万歳の方々もおるだろうし、
心のサポートNPO・NGO団体の方々もおるだろうし、
ここは日本ですよね?と不安になってしまうほどチベットの民族衣装の方々もいれば、ラマ僧の格好の人もいる。
「ワシは去年、絶対おまえのその格好はコスプレだろ?と確信したラマ僧姿の兄さんを見たぞ・・・ニマさんもきっと似合うぞ。」などと話に花が咲く。
他人から見れば、君らこそ何の集まりですか?レレレのレ?と、いろんな意味でいろんなことを疑われそうなワシらズッコケ3人組。
赤髪と坊主とアフロ。
おまけこいて、いつもの普段着で来ちまったしな。

そうこうしているうちに新幹線は東京駅に着いた。
荷物をとりあえずロッカーに入れて行こう。
さすがに2度目ともなると東京駅のしくみが理解できるようになってきた。
駅員さんに聞かずとも地下のロッカーを探り当て、いざ両国国技館へ。

東京駅から秋葉原へ出て、乗り換えて両国。
車内でいきなりラマ僧発見。
本物のようだね、なんて話しているうちに、みるみるニマさんのウキウキモードが上昇していく。
「あ〜、なんだか萌え萌えになってきましたねぇ♪(o^^o)」
そうだよ、序章はOK、掴みはOKの気配漂うね。

昨年は両国駅から国技館までビラ配りの嵐だった。
民族系音楽やらヨガやら雑貨屋さんやら、何かのサポート運動をする団体やら怪しい新興宗教やら・・・。
どうせ今年も・・・と思っていたら、何の遮りもなくスムーズインできた。
たくさん苦情があったに違いないね。
こういう所にも気を配らなくてはいけないなんて、イベントも大変だね。
開演は14時だけど、1時間以上早く入って席を探した。
ワシとドルジェさんは枡席。
ニマさんは自由席。
この後合流することになっているミセスKと支店長Mにメールしてお利口さんで始まりを待つ。

開演時刻が迫ってきたところで、司会者の木内みどりさんから諸注意があった。
そして今日の段取りの連絡。
ダライ・ラマ猊下入場〜講演〜質疑応答〜花束贈呈〜退場で16時に終了すると言う。
あー、また質疑応答か・・・(-_-;)
なんて思いながら、今日の怪しい質問者はどこのどなたさんだろうと会場を見回した。
アリーナ席はさすがチベットハウス関係の方々らしくチュバ率高っ!!
在日チベット人の方々もいる。
男女共民族衣装で正装だ。
ヨガ関係の方か?と思われる人もいれば、雑貨屋さんですか?とすぐに判る人もいる。
ラマ僧もいれば袈裟着た日本の坊さんもいる。
でも、大半は普通の人々だ。
この普通の人々に紛れて珍問かますのだから日本人はわからないね。

予定時刻を10分少し過ぎてダライ・ラマ14世法王様のご到着。
会場はスタンディングオベーションだが、ワシは拍手より手を合わせたまま拝みたくなったよ。
この方について興味がある方は、どうぞ本でも読んで勉強してくださいませ。
この方がどうして亡命されたのかその経緯の一端を知りたければ、どうぞお調べくださいませ。
調べのとっかかりとして、「セブンイヤーズ・イン・チベット」のような映画を見るのもよいと思う。
ブラピが出てるよ〜ん♪
余談だけど、うちのドルジェさんはブラピと同級生になるんだってさ。
若いよね、ブラピ!

懐から、エンジ色のサンバイザーを取り出し、頭にかぶった。
ライトが相当まぶしいのだろう。
「これはラマ専用の帽子ではありませんよ。」と相変わらずジョークも上手い。
猊下が語り始めた。
・・・仏教者ではなく一人の人間として皆様と同じ立場から、やさしい心・慈悲の心について論じていきたいと思います・・・
そんな出だしから猊下の講演は始まった。
今回は日本人以外の方も多数いらっしゃるので英語で話すらしい。
割合に長いお話の後に、通訳のマリア・リンチェンさんが日本語に訳してくれる。
本当に上手な訳だ。
マリア・リンチェンさんの奥に、お付きのラマ僧が控えている。
仏教用語やチベット語にしかないような言葉を英語にされるときのサポート役のようだ。
ところどころ、お付きの方に確認するような仕草があった。

日本語訳の間の猊下は、イタズラ坊主のように落ち着きがない。
ノーベル平和賞も受賞された方だ。
御年71歳だ。
ワシの知ってる名誉と年齢を持っている人は、こんな時威厳のある態度で突き通すことが多い。
微動だにせず、神妙な顔をしたりしてね。
でも、猊下は違った。
自分がお話になる時は、それはそれは、言葉を選んで慎重に丁寧に話されるのだが、ひとたびお役から離れたら、ウチの4号とさほど変わらないゴソゴソ振りだ。
手元に並んでいるポットやコップを触ってみたり、会場に手を振ってみたり、懐紙を取り出して鼻をかんだり、メガネを拭いたり。
分別のあるお茶目なおっさんだな。
それにしてもよく鼻をかむ。
お風邪を召されたのか?
両国の前は11月1日からの広島国際平和会議20066日からのタントラの教示と、お忙しいもんね。
体調でも崩されたのかしら?
不届き者のワシでごめんなさい。猊下。
お話自体はいろいろな本に書かれていることの序章あたりの分しかない。
けれど、いいよ。
去年のワシは勉強不足で挑んだが、今回はちょっとだけ勉強したもんね。
何を言わんとしているのか、ちょこっとだけわかった気分を味わえただけでもワシは満足だ。

押して押して始まった割に、しっかりみっちりと長いお話だった。
さぁ、お待ちかねの質疑応答だ。
今回はどんな珍問が飛び出すことか!
はい、一発目からやってくれましたね。
「背後霊について・・・・」
ごめんなさい、猊下。
ワシが代わりに謝りますけん、ごめんなさい。
そんな気持ちでいっぱいになってしまった。
けれど、猊下は気持ちが広い。
相当広い人だと思ったよ。
どんな質問にもジョークを交えて真摯に受け止め、主題に持っていく頭の良さは偉大なラマだよ、やっぱり!
未熟なワシは「何聞いてたんだよ、ボケェ!!」と心の中で何度も叫び、「こんな質問しかしないバカな日本人をお許しください。懲りずに来年も来てください。」と何度も懇願したさ。
ワシは思うのだがな、きっと世界各地で行われる講演の質疑応答の中には、いろんな質問がいっぱいあるだろう。
選りすぐりの珍問ばかり集めた珍問集を本にしれば、意外と売れると思うよ。
ごめんなさい、不届き者で。。。

いろいろな質問があったけど、「私は何者かに取り憑かれているのですが、何者に取り憑かれているのでしょう?」というのには面食らったよ。
さすがの猊下も「I don't know.」の一言しか答えなかったね。
真面目に質問しているのなら違う医療機関に行った方がよいし、ウケを狙っているのだったら不謹慎極まりないバカだと思ったワシだった。
栄えある最後の質問者に選ばれたおばちゃんは、マイクを握った瞬間、猊下の方ではなく、会場を振り返り、「法王様の放出される光エネルギーをたくさん受け取って、どうぞみなさんも元気を貰って帰りましょう!」などと、満面の笑みだった。
困ったね、困ったよ、困ったぞ。
ワシはこういう集団が一番苦手だ!!!
心の癒しだとか、パワーとか、そういう集団や業界が「ダライ・ラマ」を持ち上げたり看板にするのが一番嫌いだ!!!
お願いだ、やめてケレ!!!
悲しくて胸が痛くなりかけたワシだが、猊下は言われた。
「私は光を放つこともエネルギーを放出することもできません。みなさんが、やさしい心を持ち元気になられるには、私の話をもう一度それぞれが考えてみてください・・・・・・・。」
こんな質問とも広告とも受け取れる発言にも真面目にお答えしてくれる猊下を尊敬した。
本当にね、ごめんなさいねって、何でか知らんが心の中で謝っちまったがや。
やっぱね、珍問集を作るべきだね。

ここまで書いて放置すること1週間。
ごめんなさい。<(_ _)>
まだ途中ですが公開しますね。
続きは後日、お楽しみに☆

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