2/15/2008

チベタンアンバー
Tibetan Amber

今日はチベモノ色の濃いブログとなり、dzi、コーラル、ターコイズときたら、やはりアンバーも仲間に入れてあげたくなってしまいました。


アンバー、日本語で言うと琥珀です。
石というか、松ヤニの化石ですね。
松ヤニは現在でも、弦楽器の弓のすべりを良くするために、琥珀のように固めて使われています。
映画「ジュラシックパーク」では、確か、琥珀の中に封じ込まれた蚊を取り出して恐竜のDNAを取り出したと思います。
なかなかロマンのある発想だと関心した記憶があります。
よく知られているアンバーは、琥珀色という表し方もあるように透き通った赤茶色のものが多いですね。
それらは、俗に「ロシアンアンバー」とも言われています。
ところがところが、チベタンアンバーはこんな黄色いものがほとんどです。
そして、あまり透き通っているのもありません。
地層の中で成分が何らかの作用によって石となります。
同じ水晶でも産地によって違いがあるので、色のついたアンバーなら、水晶よりもっと違いが出ることに解りがいいですね。

話は少し飛びますが、チベット密教の文化圏には「タルチョ」と呼ばれる5色の旗を寺院や祠に飾ります。
どういう順番が正しいのかわかりませんが、赤・白・青・黄・緑の5色です。
日本の暦や占いに影響を与えた陰陽五行思想にも、「木、火、土、金、水」と分類されていたりしますね。
この5色の意味については、また別の機会にご紹介することにして、一般に「チベタン」とか「チベットっぽい」と呼ばれるアクセサリーはこれら5色を上手に取り込んで作られています。

赤=コーラル(山珊瑚)
白=ほら貝、真珠
青=ターコイズ、ラピスラズリ
黄=アンバー
緑=ターコイズ、マラカイト

5色を石に当てはめて身に着けることは、装飾品として美しいだけではなく、彼らにとって、また違った意味合いを持っているのでしょう。


風が舞います。
乾いた空と大地の間を駆け抜けるように風が舞います。
青い青い空にタルチョが翻ります。
自然には抗えない人間のちいさな欲望を吹き飛ばすように。
小さく無抵抗な人間を嘲笑うように。
でも、その下で、
人間はちいさな幸せを願い
祈りを捧げます。
5色の旗の下
深い信仰と深い祈りを捧げます。
何百年、何千年と続いた神と仏と人の営みがあります。
そして今日も
そして明日も
タルチョを翻し
風は舞います。

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